■ MUKU-DATA  神代ケヤキ 2000×750~1000 t105→100mmへ 


 縁があって昨年11月に製材した神代欅(➡ 神代欅製材 )割れ止めを塗り、保管中であり、製材されてようやく初めての春を迎えたばかりなのですが、
無謀ともいえる加工を行いました。割れ止めを剥がし手を手を加えると割れたり反ったりの確率はかなりあるだろうから躊躇ったのですが・・お客様のリクエストにお応えする事と、リスクを背負っていただけるという事、様子を見ながら使っていただき、5年後10年後・・と乾いたら再度仕上げるというお話で無謀な暴挙に出た訳です。
何が凄いかって、そのリスクを受け入れ背負える度量かと。。乾いてもうこれ以上間違いないって物は使える材、使えなかった材などの振り分けで金額に反映させる予定でした。当然、乾くまで背負う材木屋のリスク代金と長く寝かせた乾燥代金です。生の状態はリスクがありますからそれはプロ同士で通常は行うものです。
背負えますか?反って爆発するかもしれないそのリスク。

木裏から割れ止めを剥がすとやはりまだしっとりとした感じです。

両木口切断オガもグリーン

地中の中でどれだけ長く埋もれていたのでしょう。。。この魅惑的な色合いは何故にこうも惹かれてしまうのでしょう。。。

樹齢のいった欅の杢が神代色に染まり何とも言えない表情です。

木裏を終えて、今度は木表

神代木は、仕上げは生地がいいのかもしれません。もしくは塗ったかどうか分からない表情の確か木肌美人でしたっけ?それ系が最終仕上げにはいいのではないでしょうか・・・
経験値が少ないので何軒かご意見を伺いアドバイスをもらいました。使いながら乾かしていくという事が条件ですので急激に乾いてしまうといけないのでオイル塗装を施しながらゆっくりと乾かしていくことにしました。これが正解なのかどうかはわかりません。

割れが進行するといけないので、木口には角鎹、表面の小さな割れには平鎹を打ち込みました。丁度、頼んでいた鍛造鎹が出来上がったのでそれを使用しました。最終的に乾いて再仕上する際にも装飾を兼ねて平鎹を使用するかもしれません。(蝶チギリかもしれませんし未定です)

辺材部分の耳は、キレイに取り過ぎ加工し過ぎないようにしました。神代木の耳はガサガサで厄介なのですが、ツルンと丸くキレイに加工し過ぎると何だかその雰囲気が半減しそうに思えたので。。最終仕上げの段階ではどうするのかは未定です。

先ほど、お届けしてきました。厚み現状は100mm、まだ未乾燥ですので200kg近くあるのでは?といった感じでお客様の手をお借りしながら4人で搬入しました。
純和風の座敷でしたが、うわぁ~って感じで一瞬、部屋の様子が変わったのを見逃しませんでした。そしてそこに溶け込んでいく瞬間も。。
神代に限らず、どの木のその瞬間がありますしいつもそれを感じながら搬入しています。

会社に戻ったら、早速お客様から写真とメールが届いていました。父も喜んでいると。。。(お客様からの写真 下)

何よりです。
搬入の際に無言でその様子をお父様が眺めていましたので、この得体の知れないブツ、オーラが出過ぎて、少々刺激が強すぎたかなぁ・・と内心、心配していました。
今後、お客様と共にこの神代欅がどう変化していくのか様子を見守っていこうと思います。
製材時105mm 今回の仮仕上げ100mm弱、乾燥後、最終的には70mm程度にしあがればいいかと思っています。

しかしこの神代木って
どうしてこうも惹きつけられるのでしょうね。。。